令和3年10月09日
幸福実現党
岸田文雄新首相は昨日、就任後初めてとなる所信表明演説を行いました。厳しい状況下での就任となりましたが、自民党総裁選に挑戦して勝利を掴んだその“粘り腰”をもって、わが国を正しくリードされることを、心より願う次第です。
現在、中国がコロナ禍に乗じて覇権拡大を進め、わが国の安全保障環境は著しく悪化の一途を辿っています。中国は「一国二制度」を反故にして香港の“中国化”を進め、台湾に対しても軍事的威嚇を続けていますが、これは日本の安全保障に直結する問題にほかなりません。
岸田氏は昨日の演説の中で、国家安全保障戦略を7年ぶりに改定すると表明していますが、中国による尖閣・沖縄の侵略も現実性を帯びつつあるなか、日本は憲法9条の改正を早急に進めるとともに、中国の軍事的脅威をとどまらせるとの目的を明確にして、国防戦略の策定、経済安全保障の強化策を実施すべきです。同時に、中国に配慮した“八方美人”的な外交姿勢を改め、欧米諸国との連携の下、断固として対中包囲網を形成すべきと考えます。
また、経済政策として「成長と分配の好循環」をコンセプトとする「新しい資本主義」を実現すると表明しました。しかし、高所得者層や企業への課税を強化し、税金を「分配」して中間層を拡大するとの発想には、「富の創出」という視点が欠けています。
「資本主義の精神」とは、勤勉の精神です。富は国民一人ひとりの智慧と汗の結晶です。新しい資本主義を実現するには、「小さな政府」を目指して民間の自由の幅を広げ、国民のやる気を引き出すことが何より重要だと考えます。
コロナ禍からの脱却に向けては、緊急事態宣言やワクチン接種証明活用など“全体主義”的な施策を継続すれば、国民の自由が圧迫され、国家も破綻に追い込まれかねません。コロナの法的位置づけを季節性インフルエンザと同等とすることで、医療体制を確保しながら、経済活動の自由を守り、景気回復を図るべきです。
また、岸田氏は、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、クリーンエネルギー戦略を強力に推進するとしていますが、グリーン投資は経済成長に結びつくどころか、日本経済を奈落の底に沈ませかねません。菅前政権による、温室効果ガスを「2013年度比46%」削減するとの目標を即時に撤廃し、エネルギー戦略を抜本的に見直すべきです。
世界がコロナ禍に喘ぐなか、本来、日本は世界に対して強力にリーダーシップを発揮する立場にあるはずです。新政権にあっては、自由・民主・信仰という人類にとってゆるぎない価値観をもとに、日本と世界の平和と繁栄を築かれることを切に願います。
以上